肝臓に炎症が起こる
肝炎の原因の約90%は肝炎ウイルスによる感染です。
肝炎ウイルスは肝臓の肝細胞に侵入して寄生し増殖していくウイルスで、そのウイルスの種類によってA型ウイルス、B型ウイルス、C型ウイルス、D型ウイルス、E型ウイルスなどが確認されています。
つまり、A型ウイルスに感染した場合の肝炎がA型肝炎、B型ウイルスに感染した場合の肝炎がB型肝炎、C型ウイルスに感染した場合の肝炎がC型肝炎、…ということです。
日本ではウイルス性肝炎の約90%がA型肝炎、B型肝炎、C型肝炎で占められており、慢性肝炎ではB型肝炎、C型肝炎が最も多く見られます。
ウイルス性肝炎の起こる原因
ウイルスが肝臓に侵入してきてだんだん増殖してくるのですが、ウイルスそのものが肝炎を引き起こす訳ではありません。
ウイルスが増殖することで、ウイルスをやっつけて体の守ための免疫システムが働くことに肝炎の原因があるのです。
白血球の1つであるリンパ球という免疫細胞がウイルスを退治するために戦うのですが、このときに肝細胞が一緒に傷つくために、肝臓の機能が低下していくのです。
無症候性キャリアとは?
肝炎ウイルスに感染していてもリンパ球による攻撃が始まるまでは肝炎の症状は現れません。
この期間を
潜伏期間といい、症状が現れていない状態を無症候性キャリアと呼んでいます。
急性肝炎と慢性肝炎
急性肝炎は比較的短期に発症する急性の肝臓の炎症をいいます。
急性肝炎では、まず発熱や体のだるさなど風邪のような症状が現れ、さらに食欲不振、吐き気、嘔吐、腹痛、黄疸などの症状の伴うこともあります。
ただし、これらの症状がウイルス性肝炎によるものと気づかずに見過ごされることもよくあります。
急性肝炎の症状が現れてから8週間以内に重度の肝機能障害が現れた場合を
劇症肝炎といい、非常に危険な状態で、有効な治療方法が確立していないことから命を落とす確率も高くなっています。
一方、慢性肝炎は6ヵ月以上肝炎が続いている病体をいいます。
じわじわと肝細胞が破壊されていき、肝硬変や肝臓がんに進行する恐れがあります。
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