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肝臓の働き・肝臓の病気

肝臓はどのような働きをしているのか?肝臓にはどのような病気がおこるのか?など肝臓について詳しく解説します。

   

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肝臓がんは難治がんの1つ

肝臓がんは日本におけるがんによる死亡原因が、肺がん、胃がんに次いで3番目に多いがんです。
肝臓がんの罹患数に対する死亡数は約77%と非常に高く、治療が難しく難治がんの代表といわれる肺がんの約80%と同等の死亡率となっています。
がん死亡率
この主な原因は、肝臓は多少肝細胞が破壊されても肝臓としての働きをこなす予備能力を備え持っており、肝臓がんを患っていてもなかなか症状が現れないことから肝臓がんの発見が遅れるためです。
そのため肝臓がんの自覚症状が現れてからではもう手遅れとなっていることが多々あります。

また、がんの5年生存率を見ても、肝臓がんは全体的に5年後の生存率が低いことがわかります。
特に注目すべきところは、がんの進行度が初期の段階である第Ⅰ期における生存率です。
がん全体では91.9%、個別で見ても胃がん98.7%、肺がん79.3%、食道がん78.5%であるのに対して、肝臓がんは53.8%と非常に低い生存率となっています。
がんの5年相対生存率
早期発見でがん治療の成果が上がることは間違いありませんが、肝臓がんに関しては初期のがんでも5年後の生存率は約半分であることからも、肝臓がんが難治がんであることがうかがい知れます。
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肝硬変で起こる合併症

肝硬変が進行すると、肝臓は正常時に行っている栄養素の代謝や解毒など人体にとって重要な働きが十分できなくなりますので、その影響が他の臓器や器官にも及び、さまざまな合併症を引き起こします。
特に肝臓が流れてくる血液を処理できないことによって血液が滞り、行き場を失った血液の影響が人体のあちこちで現れます。
肝硬変がもたらす合併症には次のようなものがあります。

肝硬変の合併症原因や症状
肝性脳症
肝臓が解毒できなかった有害なアンモニアが脳にダメージを与えて、興奮や錯乱をおこしたり、意味不明の言動をとり、最終的には昏睡状態に陥る
黄疸
肝臓で胆汁が生産できなくなると、胆汁の黄色い色素成分であるビリルビンが使われなくなり、皮膚や白目が黄色っぽく変色する
鼻血、歯肉からの出血
血液を固める血小板や血液凝固因子が作られなくなり出血しやすくなる
食道静脈瘤
肝臓が流れてくる血液を処理できないと、門脈に血液が溜まり、逆流する。
逆流した血液が食道の細い静脈に大量に流れ込むと、その圧力で血管が瘤(こぶ)のように膨らみ、破裂すると大量出血を起こす。
手掌紅斑、クモ状血管腫
ホルモンバランスが崩れて毛細血管が広がり皮膚上に赤く浮き出て見える。
掌に赤くまだら模様が現れるのが手掌紅斑、胸の辺りにクモが足を広げたように血管が浮き出るのがクモ状血管腫。
脾腫
肝臓が脾臓から送られてくる血液を処理できないため、脾臓に血液が溜まり、脾臓が腫れる
女性化乳房
肝臓で女性ホルモンを分解できなくなり、男性の乳房が女性のようにふくらんでくる
腹水
肝臓が送られてくる血液を処理できなくなり、滞った血液から水分が血管外に漏れ出てお腹が膨らむ
腹壁皮下静脈怒張
肝臓が送られてくる血液を処理しきれず門脈で血液が滞り、腹部の細い静脈に流れ込むことで血管が浮き出て見える
いぼ痔
肝臓が送られてくる血液を処理できなくなり、門脈から肝臓への血液の巡りが悪くなると、いぼ痔(痔核)になりやすくなる
手足やまぶたのむく
尿の出が悪くなり、体内に水が溜まっておこる

肝硬変が起こる原因

肝硬変は文字通り「肝臓が硬く変化する」病気です。
肝臓は全体の約30%が機能していれば、肝臓としての働きをこなすことができる非常に予備能力の高い臓器であるため、肝細胞が破壊されていってもなかなか自覚症状が現れません。
ですから、体調の異変に気づき病院で肝硬変と診断されたときには、肝臓はかなり部分で機能が失われている状態になってしまっています。

日本における肝硬変が起こる原因は、約60%はC型肝炎が原因でおこるC型肝硬変とダントツに多く、次いで約15%がB型肝炎が原因でおこるB型肝硬変、約10%がアルコール性肝障害が原因でおこるアルコール性肝硬変です。
最近では食生活の欧米化に伴いアルコールを伴わない肥満者に多くみられる非アルコール性脂肪性肝炎が原因でおこる肝硬変も増えつつあります。

肝臓が肝硬変を引き起こすメカニズム

組織同士を結びつけてる役割をしている組織を結合組織といい、そのうち細胞間を埋める役割をしているものを間質といいます。
間質の代表的なものが、コラーゲンで作られたとても丈夫な膠原線維です。
肝小葉同士もこの膠原線維で結びつけられることで肝臓という1つの臓器が形成されているのです。
このように組織同士を結合させる重要な働きをしている膠原線維ですが、この膠原線維が肝硬変をもたらす原因となります。

肝臓に何らかの障害が起こり、肝細胞が壊れて減っていくと、肝小葉に隙間ができてきてきます。
そうすると、膠原線維はその隙間を埋めるために肝小葉の中にも伸びてきます。
ところが、この肝小葉の中に伸びてきた正常な膠原線維は、正常な肝細胞の周りを取り囲んでしまい、肝細胞が活動するために必要な酸素と栄養を受け取る妨げになってしまうのです。
これにより肝細胞がさらに壊れて減り続ける一方、膠原繊維はますます増え続け、再生結節と呼ばれるしこりができると肝臓は硬くなり、さらに血流が悪くなって肝細胞の破壊が進行する悪循環で肝硬変はどんどん進行していくのです。

肝炎と肝硬変の違い

肝炎も肝硬変も肝細胞が破壊されていくという点ではどちらも違いありません。
肝炎と肝硬変の違いは繊維化がどの程度進行しているかにあります。
肝炎では線維化がそれほど進行していないため、治療をすれば肝臓が備え持つ再生能力で元の状態に戻ることができますが、肝硬変になると線維化が進行していてかなりの肝細胞が破壊されてしまっているため、肝臓は元通りに戻ることができません。
つまり、肝炎と肝硬変の大きな違いは、元の元気な肝臓の状態に戻れるか否かです。
この違いは非常に大きいので、肝硬変になってしまう前に対処することが大事なのです。

各種ウイルス性肝炎の特徴

ウイルス性肝炎はウイルスの種類によって感染経路や症状などが異なります。
それぞれのウイルス性肝炎の特徴は下記のようになっています。
A型肝炎
A型ウイルスに汚染された生の魚介類や生水を摂取することで感染。
2~6週間の潜伏期間の後急性肝炎を発症するが、慢性肝炎になることはない。
B型肝炎
母子感染が多いが、性行為によって感染することもある。
母子感染に場合、幼少期は無症候性キャリアで、思春期以降に約10%が慢性肝炎となる。
大人になってからの感染では急性肝炎を発症するが、慢性肝炎になることはまずない。
C型肝炎
過去に輸血及び輸血製剤の使用で感染している場合が多い。
急性肝炎を発症しても症状が軽いことが多く、見過ごされやすい。
感染者の約70%が慢性肝炎となり、肝硬変、肝臓がんに進む恐れがある。
D型肝炎
B型肝炎感染者に感染する。
E型肝炎
豚や鹿、猪の生肉などE型ウイルスに感染している食べ物を摂取することで感染する。
急性肝炎から稀に劇性肝炎を起こすこともあるが、慢性肝炎にはならない。

ウイルス性肝炎(A型肝炎、B型肝炎、C型肝炎など)

肝臓に炎症が起こる肝炎の原因の約90%は肝炎ウイルスによる感染です。
肝炎ウイルスは肝臓の肝細胞に侵入して寄生し増殖していくウイルスで、そのウイルスの種類によってA型ウイルス、B型ウイルス、C型ウイルス、D型ウイルス、E型ウイルスなどが確認されています。
つまり、A型ウイルスに感染した場合の肝炎がA型肝炎、B型ウイルスに感染した場合の肝炎がB型肝炎、C型ウイルスに感染した場合の肝炎がC型肝炎、…ということです。
日本ではウイルス性肝炎の約90%がA型肝炎、B型肝炎、C型肝炎で占められており、慢性肝炎ではB型肝炎、C型肝炎が最も多く見られます。

ウイルス性肝炎の起こる原因

ウイルスが肝臓に侵入してきてだんだん増殖してくるのですが、ウイルスそのものが肝炎を引き起こす訳ではありません。
ウイルスが増殖することで、ウイルスをやっつけて体の守ための免疫システムが働くことに肝炎の原因があるのです。
白血球の1つであるリンパ球という免疫細胞がウイルスを退治するために戦うのですが、このときに肝細胞が一緒に傷つくために、肝臓の機能が低下していくのです。

無症候性キャリアとは?

肝炎ウイルスに感染していてもリンパ球による攻撃が始まるまでは肝炎の症状は現れません。
この期間を潜伏期間といい、症状が現れていない状態を無症候性キャリアと呼んでいます。

急性肝炎と慢性肝炎

急性肝炎は比較的短期に発症する急性の肝臓の炎症をいいます。
急性肝炎では、まず発熱や体のだるさなど風邪のような症状が現れ、さらに食欲不振、吐き気、嘔吐、腹痛、黄疸などの症状の伴うこともあります。
ただし、これらの症状がウイルス性肝炎によるものと気づかずに見過ごされることもよくあります。
急性肝炎の症状が現れてから8週間以内に重度の肝機能障害が現れた場合を劇症肝炎といい、非常に危険な状態で、有効な治療方法が確立していないことから命を落とす確率も高くなっています。

一方、慢性肝炎は6ヵ月以上肝炎が続いている病体をいいます。
じわじわと肝細胞が破壊されていき、肝硬変や肝臓がんに進行する恐れがあります。

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増田製薬株式会社
住所:
奈良県橿原市川西町429

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